村山動物病院ブログ

目の下に怪我??

2022-02-24

こんにちは!獣医師の大久保です。

当院ではご好評につきデンタルキャンペーンを3月まで延長しております。

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https://www.murayama-ah.com/sblog/2021/12/01/%e6%ad%af%e7%9f%b3%e3%83%bb%e6%ad%af%e5%91%a8%e7%97%85%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

 

 

さて、時々ですがこんなワンちゃんネコちゃんが来院します。

 

 

「なんか目の下を怪我してるみたいなんだよね。

 傷つけるようなことは何もしてないんだけど・・・」

 

 

デンタルキャンペーンの宣伝をしておきながら怪我の話?

と思われたかもしれません。

 

しかし獣医師はこの時点で歯に関係のある病気の可能性を考えています。

 

それは

 

歯根尖膿瘍(外歯瘻)

 

という病気です。

もちろんこの病気以外にも本当に怪我をしている子、腫瘍などの可能性もありますので

他の可能性を除外していく必要はありますが、この位置の傷は歯が原因で起きることが多いです。

 

 

実際に歯根尖膿瘍の子の写真をお見せします。

 

 

少し分かりづらいですがこの子のように

眼と口の間あたりに傷があります。

 

毛を刈るとこのようになっていました。

 

なぜこんなところに傷が?

それは歯の根元の感染が原因です。

 

 

美術の成績が芳しくなかった僕の分かりにくい絵で申し訳ありません。

 

普段歯の根元(歯根)は歯を支える歯槽骨という顎の骨と靭帯で強固にくっついており

その上を歯茎(歯肉)におおわれています。

歯石の付着により歯根まで感染が広がると

歯槽骨まで感染が波及して骨自体が溶けてしまいます。

 

最終的に顎の骨に穴が空いてしまい、周辺に感染を広げ膿が溜まります。

それが皮膚を破って傷を作るのです。

 

根が深い目の下あたりの奥歯がこれを起こすことがほとんどなので

大体この位置に傷を作ります。

 

抗生剤などで一旦良くなることがありますが、

根本的には原因になっている歯を抜く必要があります。

 

実際に上の写真の子は奥歯の歯石がひどく抜歯を行いました。

抜歯して感染がおさまれば傷はちゃんとふさがります。

 

 

さらに悪化すると、顎の骨が溶けた先は鼻の中に繋がりますので

口と鼻につながる穴が空いてしまいます(口鼻腔瘻)

歯が悪い子が青っ鼻を出していたら要注意です。

 

飼われているワンちゃんネコちゃんの目の下にこんな傷ができたら

もしやと思っていただき、一度ご来院ください。

 

歯根尖膿瘍は歯石が重度な比較的高齢のワンちゃんに多いです。

高齢だから麻酔は・・・と考えている方もいるかもしれません。

 

でも、そう考えている今日が一番若い日です。

不安はもちろんですし、高齢というリスクはありますが、

当院では麻酔前にしっかりと術前検査を行います。

 

そして実際にもうすぐ16歳という高齢で心臓病があるような子でも、

術前検査で大きな問題がなく、無事に歯石の処置を終えたワンちゃんもいます!

 

不安なことはなんでも相談していただき、

ぜひデンタルキャンペーンを活用して

お口の環境改善を行なっていきましょう!


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